
以下、あまおう農家 田中智哉さん(SIMBAL FARM 代表)のコメントです。
前の年の11月にプランターに植えた苗を親株として育てると、
次の年の5月ぐらいにその親株から子孫を増やすために
ランナーと呼ばれるツルのようなものがたくさん出てきます。
それを土を入れたポット(ビニール製の小さい鉢)に植えていくと子株が採れます。
1本の親株から15~20本ほどで、
私は650本の親株から約12,000本の子株を採りました。
子株を親株から切り離す作業は、炎天下の中朝から夕方まで結構忙しく大変ハードです。
まずは水やり。
私は病気の拡散を防ぐためにも、苗に長時間水を当てない手潅水(設備を使わず、手作業で水やりをすること)をしてますが、
重たいホースを引きずりながら朝2時間、夕方1時間水やりをしています。
その間に、肥料をあげたり、丈夫で発育のいい苗にするために葉を間引きする葉かぎをしますが、
葉かぎは株数が多いので何日もかかります。
また、この生まれたばかりの新鮮な子株たちには病気や害虫たちが次々とおそって来ますので、消毒が欠かせません。
厄介な炭そ病にかかれば近くの株へ感染し枯れてしまいますので、
病気の特徴である「ほくろ」のような斑点を探すため
12,000株を一日見て回ります。

大変ハードな作業のため気温35度以上の中、たまにフラフラに・・
一日に取る水分量が4リットルを超える日もありました(笑)
そんな辛い時は、iPhoneから大好きなレゲエをかけながら、
なるべく楽しく乗り切るのが一番効果的でした。
そして、やっと夕方。
真夏の海に夕陽が沈んで、志賀島だけでなく、能古島、博多港、百道浜まで
見渡すかぎり真っ赤に染まります。
それを見ながら家路に着く、最高に気持ち良い時間でもあります。
SIMBAL FARM 代表 田中 智哉

夏は、いちごの苗づくりの時期です。
真夏の炎天下での水やり、とても大変かと思います。
そんな中、レゲエを聞きながら乗り切るというのが田中さんらしいです!
農業は自然相手、お天気や台風など心配も多いと思います。
年間を通して、苗づくりから大切に育てられているのですね。
志賀島の美しい自然の中で育ったいちご、これからも楽しみです。